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第30話 お嬢様に懐かれた?

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-09-15 06:00:39

「大丈夫そうか?」と聞いた。

「……まだ……かしら……。ちょっとヒリヒリするわ……うぅぅ。」と女の子が答えた。

「わ、わたし……リリアよ。あなたも……名乗りなさいよ! このわたしが名乗ったのよ!」と女の子が涙目で、振り返り言ってきた。

「俺はユウだ。まあ、覚えなくて良いぞ……」後が怖そうだし。

「そ、そう……ユウ様ね、覚えておくわ。」と、俺の膝を抱きしめるような体勢で答えた。

「まだ痛むか?」ちょっとやりすぎたか……と罪悪感を感じていた。

「当たり前でしょっっ! あれだけ叩かれれば、痛いに決まってるでしょ……もぅ…ばかぁぁ……っ!」涙目で叫ぶように答えた。

「ひゃ、はぅ……な、なんですの!? ユウ様!? ちょ、ちょっとぉぉぉ!?」驚きと、恥ずかしそうな悲鳴を上げた。

 ユウは、撫でていたスカートをまくり上げ、下着の中に手を入れて直接おしりを触っていた。

「熱を持ってるかと思ってな……触ってみただけだって。」とサラッと言った。

「……ちょ、ちょっと……ビックリしただけですわ……心配してくださったのね……。どうかしら……?」動揺をしいたが、平静を装い答えていた。

「……あぁ、熱を持ってるなぁ……。それにスベスベだな。」リリアの尻を撫でながら答えた。

「……ユウ様の手が冷たくて心地良いわよ。」ユウのサラッという反応から、他家や平民では一般的なことなのかも? と平静を装い対応していたが、内心はドキドキし動揺をしていた。

「そうか……? なら良かった。」まあ、俺も……昔、父親に尻を叩かれて、腫れちゃって撫でられてたもんなぁ。『あぁーわりぃ、少し叩きすぎたかもなー』とか言われて。

「は、はい……そうなのよっ。続けなさいよぅ……」とボーと過去を思い出していたら、命令形口調で続けて欲しいとアピールされた。

 それにしてもリリアの、おしりはプニッとして柔らかいな。やっぱり、女の子の身体は違うな!

「ちょ、いま、揉んだわよね!? べ、べつに良いんですけど……」と慌てたように、体をピクッとさせた。

「あはは、分かったか? 柔らかそうだな……って思ってな。ついなー……」悪びれもせずに答えた。

「撫でてくれたお礼として……許してあげるわよっ! 特別ですからねっ!」リリアが照れ隠しのように、怒った口調で言ってきた。

「そ、そうか……悪かったな」怒っている口調で言われたので、つい謝ってしまった。

 そりゃ、女の子なのに叩きすぎちゃったし……機嫌も悪くもなるか。

「許すと言いましたわよ。ふんっ。お気になさらずに……」

「これ、まだ続けるのか?」少し年下の女の子とはいえ……少し不味いような気がしてきたぞ。こんな姿を見られたら勘違いされるぞ。でも、今更だよな……

「あと少しだけ……いいかしら?」意外な言葉が返ってきた。

「俺は良いけど……」というか、回復魔法ですぐに治ったよな。これ……。ケガじゃないから思い出せなかったわ。

「心地いいと言ってるじゃありませんか……続けなさい!」叩きすぎたのは悪かったが、さっきから命令口調でイライラするんだが……!

「その言い方、イラッとするんだが?」イラっとして、ついつい……不機嫌そうな声で注意をした。

「す、すみません……つい。おねがいしますわ」リリアは、なにげにこの状況にときめいていた。自分を叱ってくれる人などに出会ったことがなかった。それに、ユウの見た目も好みだった。この状況が終わってしまうのは残念過ぎる、なので素直に謝罪をした。

「というか、そろそろ皆、起き出すと思うぞ?」

「……それは、不味いですわね……。こんな、はしたない姿を見られては……。ユウ様。次は、いつお会いできますの?」

「次? もう、会うつもりないが!?」いや、だって……こいつ、上位の貴族の娘なんだろ? 絶対、面倒ごとを引き寄せたり、起こしたりしそうだし。

「……え? はい? 人の体をいろいろと触っておいて……それですか? うぅ……ばかぁ。キライです……会うのですっっ!」目をうるっとさせて、泣きそうな顔で振り返って言ってきた。

「そこまで、いろいろと触ってないだろ!?」驚いた声をあげて答えた。

 あ……。そういえば、未婚の女性の肌を触るのはダメって言ってたな。って、……リリアが普通に受け入れてくれてたぞ? 嫌がりもせず、抵抗もしないで。

「……うぅ……おっぱい触りましたし。おしりもですわ……」

 あぁ……。それは……否定できないな。抱きかかえた時に、やわらかな胸を触った気がするし。おしりは……今でも触ってるしな。

「わ、分かったから……」

 今更だが、罪悪感が……

「でしたら……この後に、お食事などいかがですか?」ニコッと可愛らしい笑顔で誘われた。

「この後は、用事があるから無理だな」即答で答えた。

 罪悪感はあるけど……これ以上、リリアと一緒にいるのは危険と判断した。面倒ごとに巻き込まれる気がする。それに、自業自得だろ。人の店にちょっかいだして絡んできたのはリリアの方だ!

「……それでは、明日でいいですわ。」負けじと、すぐに答えるリリア。

「明日も……忙しいな」それに、考えるそぶりも見せず、あからさまに即答で断るユウ。

「……時間を作りなさいよっ! ば、ばかぁ! このわたしがお誘いしているのですよ!?」

「悪いな。用事があって忙しいんだ」と言い、逃げるように去った。

「ちょ、ちょっと……待ちなさい!! ユウ様ぁぁっっ!! ううぅ……ばかぁっ!」

 

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  • R18 転生して森で暮らしていたら王女様を拾いました2章   第48話 リリアの問題は解決したが……

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